編者・石橋克彦 「原発を終わらせる」より抜粋、要約
◎困難な放射性廃棄物の処分
日本では使用済み燃料に化学処理を施し燃え残ったウランと燃料内に新たに
生成されたプルトニウムを取り出すことになっている。
その再処理はイギリスとフランスと契約を交わし、1990年代までは委託して
いたので、現在はイギリス、フランスの工場に貯蔵されたままになっている。
将来的には日本に送り返されることになっているが、後には青森県六ヶ所村
に再処理工場を建設し、そこで再処理することになっていた。
しかし、故障が続き、試験操業の段階でストップしているので、各原発で使
用済み燃料が溜まり続けている。
また、六ヶ所再処理工場で作りだされた新たなプルトニウムにも現在は需要が
無い。
本来ならば高速増殖炉で利用する計画も研究開発段階の原型炉「もんじゅ」
が事故で停止している為、見通しも立っていない。
ヨーロッパで保管されているプルトニウムも余剰状態で、軽水炉で使用する
「プルサーマル」を推し進めようとしているが、今までわずかに使用された
にすぎず、現在まで最終処分場も決められず、永久的な監視が必要な放射性
廃棄物を安全に保管される方法については、まだ誰も答えを持っていない。
「原発を終わらせる」
編者・石橋克彦 出版社・株式会社 岩波書店 初版・2011年7月20日
★最終処分場、方法も見通しもなく大飯原発が再稼働され、今後も再稼働が
増えそうな気配です。
あと5,730トンの余裕量しかなく、プールが満タンになるまで約6年という計算
になるそうです。そうすると、平成29年頃にはプールが満杯状態になり発電で
きなくなるようですが、どうするつもりでしょうね。