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Channel: 山と土と樹を好きな漁師 ー「佐々木公哉のブログ」
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3.11東日本大震災から1年経過して、ようやく、集団移転の具体的な動き。~集団移転「漁集」活用へ 岩手沿岸7市町村

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ようやく、津波襲来地域の「土地利用 住宅移転」の方向が見え始めてきました。
移転事業は2つの考え方で移転事業は進められそうです。
下の解説図のように、
【上】「防災集団移転促進事業」=(防集)
 市町村が被災した土地を買い取る代わりに、移転促進区域には条例で建築制限を設け、原則として住宅の建築はできなくなる。
【下】「漁業集落防災機能強化事業」=(漁集)
 震災前に住んでいた土地に建築制限がかからない。
住民が慣れ親しんだ元の土地で生活再建する道も開けるが、移転を希望する住民にとっては、元の土地を買い上げてもらう制度上の保証がない。
 
 震災で被災した住民の高台などへの集団移転について、岩手県では、移転を実施する沿岸10市町村のうち7市町村が、震災前に住んでいた土地に建築制限がかからない「漁業集落防災機能強化事業」(漁集)の活用を検討している。漁集を使えば、住民が慣れ親しんだ元の土地で生活再建する道も開けるが、移転を希望する住民にとっては、元の土地を買い上げてもらう制度上の保証がない。このため一部の住民からは不安の声も上がってるようですね。
 
岩手県の場合、同じリアス海岸でも、宮古市を境に、その地形は全く違います。
宮古市より北では陸地が大きく隆起し、海岸段丘が発達しています。
そのため、北山崎や鵜ノ巣断崖に代表されるように段丘崖が海に接している海岸が多く、港に適した場所が少ない。段丘面は侵食によって既に深い谷が形成されているのです。そのため、南と比較すると深い谷が多く、沿岸の平地は面積が少ない地形です。
イメージ 2
一方、宮古市よりも南では相対的に沈下た地形で
深いリアス式海岸となっている。そのため、水深の深い入り江が多く、天然の良港となっています。台地上のところはほとんどなく、海に面した急峻な谷間にできた北部よりも広い、沖積平野が陸上の主な生活の場であったのです。
 
どちらでも、その地形を生かした、世界三大漁場「三陸沖」として漁業が盛えてき経緯があります。
 
 
 
このような事から、県南でも被害の大きかった陸前高田、釜石両市と大槌町を除く7市町村が、漁集の活用を検討していると回答したのではなでしょうか。
 

色々な利害や要望、考え方が同じ被災地でも、個人によって違うために、実際に決まるまでには、まだ時間がかかりそうな感じです。
 
まあ、行政側とすれば、その土地の地形なり、高台の場所の確保、あるいは造成費の問題などもあるために、なかなか、その調整を取るのは難しい問題があります。
 
本来であれば、被災住民の要望の「最大公約数」を採用スべきでしょうが、上記のようなことも絡み、なかなかそうも行かない事情もあります。
しかし、これを集約して進めないと被災者の住宅地は出来ません。
↓↓このようなのっぺりとした、土地がどのようになって行くのか・・。膨大な時間と労力がかかると思います。しかし、ここままおくわけにはいかないでしょう。(田野畑村島越 2012.02.22撮影)
イメージ 3
 
イメージ 5
 
イメージ 4

 
イメージ 6

 
まあ、いずれにしても、それでもようやく県や市町村の努力でここまできました。って感じです。
 
まだまだ、紆余曲折の場面はつづくでしょうが・・。
一歩づつ前進してる事に違いはありません。
 
1年経過して、ようやく、集団移転の具体的な動きがでてきました。
まあ、土地利用や集団移転の状況はこんな感じです。

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東日本大震災:集団移転「漁集」活用へ 岩手沿岸7市町村
毎日新聞 2012222日 230
↓↓【上】「防災集団移転促進事業」=(防集)
  【下】「漁業集落防災機能強化事業」=(漁集)
イメージ 1
 震災で被災した住民の高台などへの集団移転について、岩手県では、移転を実施する沿岸10市町村のうち7市町村が、震災前に住んでいた土地に建築制限がかからない「漁業集落防災機能強化事業」(漁集)の活用を検討している。漁集を使えば、住民が慣れ親しんだ元の土地で生活再建する道も開けるが、移転を希望する住民にとっては、元の土地を買い上げてもらう制度上の保証がない。このため一部の住民からは不安の声も上がる。
 毎日新聞が、集団移転を実施する沿岸10市町村に取材した結果、陸前高田、釜石両市と大槌町を除く7市町村が、漁集の活用を検討していると回答した。
 このうち岩泉町と田野畑村では、集団移転の対象となる全地区で漁集での移転を決め、他の5市町村は、地区ごとに「防災集団移転促進事業」(防集)と使い分けるとした。
 集団移転の方法として一般的な防集では、市町村が被災した土地を買い取る代わりに、移転促進区域には条例で建築制限を設け、原則として住宅の建築はできなくなる。
 しかし、全壊と半壊の住宅が混在する岩泉町の小本地区の場合、約190世帯のうち3分の1が既に自宅を修繕するなどして元の土地での生活再建を希望しており「防集を使って建築制限をかけるのは非現実的」(町政策推進課)だ。
 隣接する田野畑村は当初、2地区で防集を使った高台移転を検討していたが、村が約160世帯にアンケートしたところ、1割以上が被災した土地の売却に難色を示した。村は今年に入って方針を転換し、漁集で両地区の高台移転を進めることにした。
 漁集では、地区の選択肢が広がる一方、被災した土地の買い上げは定めていない
 田野畑村の鈴木正康さん(56)は先月末、村が開いた住民説明会に出席した。津波で自宅は全壊し、被災した土地を売って高台に新しい自宅を建てる資金にしたいと考えている。村は被災した土地に公共施設を建設して買い上げるよう努力すると説明してきた。だが、鈴木さんは「(村側の姿勢が)トーンダウンしてきているようで心配だ」と漏らす。
 
 さらに、防集では移転先の土地の取得と自宅の再建で金融機関から融資を受けた場合、利子の100%(上限700万円)が補助されるが、漁集に利子補給は適用されない。漁集を使わない陸前高田市は「被災者に対する支援が防集の方が手厚い」と指摘する。【宮崎隆】
 ◇漁業集落防災機能強化事業
 住民の漁業従事率が他の職業に比べて高い集落を対象に、高台移転や土地のかさ上げなどの防災強化事業を実施するための制度。移転先の土地取得費用は国が全額負担するが、被災土地の買い取りは原則補助されない。1978年に創設され、93年の北海道南西沖地震で津波被害を受けた奥尻島で活用された。
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