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Channel: 山と土と樹を好きな漁師 ー「佐々木公哉のブログ」
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「高台移転に伴う造成」で縄文時代の「埋蔵文化財」が出てくるケース相次ぐ~専門職員増、規制援和や制度の弾力運用必須。被災地とすれば、早く工事を行なって欲しいのです。

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高台移転に伴う造成で、縄文時代の遺構、遺跡、墳墓跡などが出てくるケースが相次いでいます。

 8月以降、岩手県では、地域の時間差はありますが、
「災害公営住宅整備事業」、「防災集団移転促進事業」、「復興道路の整備」などなど、土地造成にあたり土木工事が必要となる復興工事が、埋蔵文化財の影響を受けて着工が遅れる事態が発生しています。

僕は、専門家ではないのですが、とにかく、三陸沿岸では、縄文時代に多くの縄文人の暮らしがあったと思われます。↓↓の大船渡市三陸町綾里地区の宮野貝塚から、縄文時代の竪穴住居跡や貯蔵穴が出土した例もありますが・・。
我が田野畑村でも、
高台移転の造成に伴い、縄文時代の遺構、遺跡、墳墓跡などが発見され、高台移転の工事が止まっています。

イメージ 3

イメージ 4

↓↓左のプレハブが、埋蔵文化財の発掘現場です。
イメージ 5

↓↓工期を注目、8月1日~11月30日(未定)となっています。現に、12月になっても、調査は続けられています。その分、工事が遅れる事になります。未定です。
イメージ 6

田野畑村の場合も
海岸段丘となっており、海岸から登った、縄文時代の遺跡は、多くあります。
かなりの人間が、津波を警戒して、高台に住んでいたのか・・。すこし、極端ないい方かも知れないが、とにかく、段丘の高台の平地なら、かなりの確立でこのような遺跡は、発見されていると想います。
これまでも、道路など埋蔵文化財が工事に与える影響が多発しました。
例えば、有名な「館石野1遺跡」、「館石野2遺跡」などなどがあります。
僕らが子供頃は、縄文土器、鏃(やじり)、石斧などゴロゴロしていました。それを、拾ってきて遊んだものです。そのくらい、沢山あります。

現に、
岩手県内には縄文時代や古代を中心に1万2505か所の遺跡があり、沿岸の12市町村では3635か所が確認されています。
参考:読売新聞(2012/11/14)

 そのため、本格的な発掘調査が必要となるケースが多く、発掘専門職員の不足や発掘による復興工事の遅れが問題となっています。
発掘調査に2年もかかられたのでは、たまったものではありません。
発掘期間は遺跡の規模次第

宮城県教委文化財保護課は「数軒程度の小さな集落なら1カ月程度で終わるし、比較的規模の大きい館なら最長2年かかったときもある。こればかりは掘ってみないと分からない」と説明する。

引用:河北新報(2012/3/21)

実際に東北沿岸部の復興工事において、遺跡が確認されているため調査が
必要となり、工事に影響がでている事例は、こんなにもあるのです。割愛しようかと想いましたが、あえてを紹介します。
多賀城市
復興道路の一部として整備予定の多賀城インターチェンジ付近にある「山王遺跡」で発掘調査が必要。 参考:河北新報(2012/3/27)
南三陸町
複数の集団移転候補先から中世戦国時代の館跡などの遺跡が見つかり用地選定が難航。
 参考:河北新報(2012/3/21)
大船渡市
大 渡市の越喜来湾に程近い高台にある縄文中期の集落跡。集団移転の候補先となっており、発掘調査の早期完了に被災者の方は気をもんでいます。 参考:読売新聞(2012/11/14)
山田町
佐藤町長「(集団移転候補地の)高台に埋蔵文化財があり、発掘調査をしなくてはならない。調査員が足りず、復旧・復興に大きな障害となっている」 引用:河北新報(2012/9/7
野田村
野田村野田の南浜高台団地の集団移転の造成予定地。10月の試掘で縄文時代のものとみられる狩猟のための落とし穴跡や、平安時代のものとみられる竪穴住居跡が発見。11月7日より急ピッチで発掘調査が開始されてます。 参考:岩手日報(2012/11/8)

批判の一方、調査必要との声も・・。
本格的な発掘調査を必要とする場合は時間がかかるため、今生きている人間と大昔の遺跡のどちらが大事なんだと批判の声もあります。
しかし、有識者からは調査の意義を訴える声も上がっています。専門家からは「過去の津波災害で高台に移った形跡など、学術的に有益な遺跡がある可能性もある。住宅建設を急ぐ必要性は理解するが、きちんとした調査も必要だのとの声もある。 引用:河北新報(2012/3/21)
発掘調査が復興の足かせになっていると見る風潮もあるが、(岩手)県教委は「調査にはプラス面もあり、復興と文化財保護は両立しなければならない。そのためにも人員不足は早期に解消する必要がある」
 引用:読売新聞(2012/11/14)

発掘期間の短縮へ
遺跡調査が長引けば、災害公営住宅や防災集団移転事業といった、住宅再建への土地造成が大幅に遅れることになります。復興の遅れは人口流出にもつながりかねないので、調査区域の縮小や、被災者参加の協力、外部からの職員派遣など調査の早期完了に向けての動きがありますが、実際はこの為の職員派遣など、皆無に等しい状況ですね。
宮城県教育委員会、発掘基準を弾力運
県教委によると、復興事業で埋蔵文化財調査が必要な場合、「全面を掘る」としている調査基準を緩和し、原則的に工事で壊される範囲のみの調査を実施する。
 引用:河北新報(2012/3/27)
被災者が発掘調査に協力
大船渡市三陸町越喜来の崎浜地区の防災集団移転促進事業による高台移転移転候補地。同地区で見つかった中野遺跡の発掘現場では地域の復興を前に進めようと被災者も参加。慣れない発掘作業に従事しています。 参考:岩手日報(2012/11/17)
発掘専門職員の派遣
文化庁は9月下旬、従来は都道府県と政令市のみに通知していた派遣募集に、政令市以外の市にも照会するよう都道府県に求める一文を新たに加えた。今月下旬に結果がまとまるが、要望は被災3県で約70人に上る。 引用:読売新聞(2012/11/14)

このように、新聞各社の論調も、みな評価はバラバラです。
田野畑村のhpにもそれは、紹介されています。
http://www.vill.tanohata.iwate.jp/04kanko/cat70/20090102-120000.html
村内にはいくつもの遺跡が確認されていて、縄文時代の土器や石器などがたくさん出土しています。中にはほぼ完全な形で出土した遮光器土偶や人面付石製品など珍しい遺物も発見されています。村内の舘石野には、早稲田大学の発掘調査により研究の進められている列石遺構があり、また多くの竪穴式住居も併せて発掘されています。
イメージ 1 
イメージ 2
まだ全貌は明らかではありませんが、全国でも最大級の遺構であると考えられています。 環状列石(ストーンサークル)とは異なった直線状の列石で、非常に特異な列石であると注目を集めています。これら配石の目的は、死者の埋葬、祭事や信仰の場であるとされていますが、住居跡が近いこともあり、まだまだ解明はこれからです。
さて、このように復興に伴う、「埋蔵文化財」。調査のために工事はストップされて・・。多くの被災者は、早期の高台移転を望んでいる中で、この「埋蔵文化財」。をどう考えらたいいのか・・?

このように、被災地では「高台移転」一つとっても、国の縦割り行政に、阻まれている現状があります。
「森林開発法」、「土地利用計画法」、「都市計画法」などなど、全てクリアして、ようやく、「用地交渉」で地権者のokをとりつけ、事業が始まります。
すると、またこのような、「埋蔵文化財」などの思わぬ、事が起きてきます。


僕は、遺跡調査が長引けば、災害公営住宅や防災集団移転事業といった、住宅再建への土地造成が大幅に遅れることになります。復興の遅れは人口流出にもつながりかねないので、調査区域の縮小や、被災者参加の協力、外部からの職員派遣など
調査の早期完了に向けての対策をして行くべきと想います。

2013年度以後は、「災害公営住宅の整備」や「防災集団移転促進事業」での土地造成が本格的になってくるため、専門職員の増や、さらなる制度の弾力運用、規制緩和等が必要だと想います。

埋蔵文化財」は、文化庁が所管しています。
何故、このような対処に、それこそ、予算を獲得して、執行して行かないのか・・?これこそ、緊急を要する事業です。
別の省庁の官僚が復興予算を奪い合って、いましたが・・。
このような、ものにこそ必要だと想います。

とにかく、早期に、人手を確保して、早期に調査を終えて、工事を行なって欲しいと想いますね。

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【大船渡】縄文時代の竪穴住居跡 宮野貝塚から出土
岩手日報 (2012.12.2)
【写真=子どもたちに縄文人の暮らしぶりを解説する
神原雄一郎主査(手前左)】
 大船渡市教委が震災復興に伴い発掘調査している同市三陸町綾里の宮野貝塚から、縄文時代の竪穴住居跡や貯蔵穴が出土した。市教委は1日に現地説明会を開き、地域住民ら約50人が縄文人の暮らしに理解を深めた。
 宮野貝塚は縄文時代前期(約5500年前)~弥生時代前期(約2千年前)の遺跡。東京帝国大学刊「日本石器時代遺物発見地名表」(1928年)にも記され、全国的に有名な遺跡だ。70年の慶応大や岩手大の調査で、イノシシの牙製首飾りを着けた壮年女性の全身骨格が出土し、大きな話題を集めた。
 今回は、住宅の高台移転に先立ち108平方メートルを調査。市教委生涯学習課の神原雄一郎主査が縄文時代の貯蔵穴や竪穴住居跡、土器、石器などの出土成果を解説し「縄文人骨の出土で知られる貝塚だが、今回の調査で、その人たちの住まいや生活が分かってきた。発掘調査に対する地域住民の理解に感謝したい」と結んだ。


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