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Channel: 山と土と樹を好きな漁師 ー「佐々木公哉のブログ」
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岩手県アワビの大幅な価格急落 沿岸4地区事前入札会~津波は、海も変えたが、その流通まで変えてしまった・・。 「海の小判」と言わるようになるには、何年も時間を必要とする事は、明白。残念でならない

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3.11前、岩手は、全国一位の天然アワビの水揚げ高を誇っていた。
それも、歩留まりまど品質もよく、活・鮮アワビは主に国内向け。乾燥アワビと中国、香港など高所得者向けに輸出されていた。


三陸の漁師にとっては、冬のボーナス。
「海の小判」と言われていた。
↓↓3.11前のアワビ漁の様子。
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↓↓僕には真似ができませんけど・・。腕のいい漁師は、一人でこんなに獲っていたのですよ。100キロ以上はあるでしょう。なんと、3時間で100万円以上の水揚げ、これが5回。だったのです。

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それが、昨日の入札では、軒並み、4割~7割の下落。考えられない価格暴落である。 これには、ガッカリした。
入札に参加した、ある漁協の組合長は、
「安くなるらしいとは、聴いていたが・・。まさか、こんなに下落暴落するとは・・・。また、漁師の復興は遅れて、これでは、廃業する人も出ると思う」と深刻に話していた。

また、沿岸漁業の復興に、水を刺す結果となった。
しかも、3.11の津波でアワビはものすごく、減少している。
そもそも、岩手県漁連は、県内6地区の11月の予定水揚げ数量は計234トン。としているが、絶対にこの量は上がらない、なんでこんな数字が出てくるか・・?
また、岩手県漁連を支える、「手数料」欲しさに、水増しした量なのだろう。
あの、
岩手県漁連など完全に漁師を食い物にしている。漁師にとっては、不要な組織である。

昨年、田野畑ではサッパ船(小舟)が、全くなく、不公平が生じることなどから「アワビ漁」は、行なっていない。
今年は、ほぼサッパ船も漁協組合員に行き渡り「アワビ採取に向けて、道具の整備など行なって来た」

さて、これからという時に、この価格暴落で漁師は皆、肩を落としている・・。
しかも、この傾向は数年続くとある買い付け業者が言っていた・・。

大きな痛手であるが・・・。これからも、しばらくは磯漁は期待出来ない・・。

価格暴落の主な要因は
1.主要輸出先の中国の景気減速。
2,3.11で三陸産が出回らないうちに海外市場への安価な他国産の流通へと変化した。
3,福島原発事故ののセシュームの風評被害。
などが挙げられるという・・。

僕は、この価格なら、「資源保護と天秤にかけて考えるなら」採取しないほうがいいと思う。
アワビやウニは、磯にいるが、津波で陸に打ち上げられた外、海に中でもあの黒い波の引き波で、硬い瓦礫等がぶつかり、潰されて死滅している。
震災前の漁場を見ても、アワビやウニの姿は見えない。資源も激減している。
残った、アワビを採取すると、将来は、全くいない海になってしまう。
親アワビまで採取しては、産卵するアワビがいなくなり、資源が枯渇してしまうとおもわれる。

3.11の津波は、海も変えたが、その流通まで変えてしまった・・。

「海の小判」と言わるようになるには、何年も時間を必要とする事は、明白である。
ホントに残念でならない・・・・。

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岩手県アワビの価格急落 沿岸4地区事前入札会
岩手日報  (2012/10/25)
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2012年度第1期(11月)のアワビ価格を決める事前入札会は24日、2日間の日程で盛岡市内丸の県水産会館で始まった。

気仙など4地区の入札を行い、平均価格(10キロ当たり)は高値だった11年度の半額以下に急落。



要因に主要輸出先の中国の景気減速や海外市場への安価な他国産の流通、原発事故の風評などが挙げられる。
 漁業関係者は価格変動について「漁師の宿命」などと現状を冷静に受け止め、震災からの水揚げ回復を期して11月からの漁に臨む。
 入札会は県内外の買い受け業者17社が参加した。
県内6地区の11月の予定水揚げ数量は計234トン。10キロ当たり平均価格は気仙5万2939円(前年同期比62%減)、上閉伊6万7412円(同55%減)、山田8万338円(同50%減)、宮古7万6636円(同51%減)と軒並み半値並みの下落となった。


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