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Channel: 山と土と樹を好きな漁師 ー「佐々木公哉のブログ」
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【岩手県沿岸は震災以降の不漁で漁師としての「なりわい」が成り立たない。震災前の水揚げを10とした場合1にも満たない漁獲量と激減。 復興の足を引っ張り、地域経済不況が回復できず。】 マスコミは報道せず

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【岩手県沿岸は震災以降の不漁で「なりわい」としての漁師が成り立ちません。震災前の水揚げを10とした場合1にも満たない漁獲量と激減。 復興の足を引っ張る 地域経済不況が回復できず。】
週間水産新聞でも報じてるように、北海道太平洋側と同じく太平洋側の岩手のイカ、サケが4年連続しての大不漁です
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温暖化の影響は確実ですが、イカは30年周期の不漁期に2011年の東日本大震災の頃から入ったものと考えられます。
クリックすると新しいウィンドウで開きますサケ不漁は、一昨年までは震災前に放流していたサケ(4年回帰)をとっていた計算になり、北海道や岩手、宮城などのふ化場は震災からの復旧が2014年までかかっていますので、そこから4年で計算しても、回帰するのは2018年以降ということになります。しかし、温暖化に加え、地震で海底地形の変化やサケが遡上する河川や河口が震災で大きく変化してサケが遡上できないのではないかという危惧もあります。更に、震災前からサケは小型になり、戻ってくるサケの量(回帰率)そのものが減少傾向にありました。これは、サケが育つ、「オホーツク海やベーリング海」が温暖化で、氷河やアムール川の河川から大きく変化していることは、海洋学の専門家ではずっと前から言われていたことです。

海水の温度が上がれば、酸素が減少します。その為、生物の基本となるプランクトンが発生できすに、餌が不足してると考ええられます。
こうした「酸欠」の海は、広い太平洋ほど体積が大きいので、その影響は広範囲に影響し、日本では北海道、北日本の太平洋側に影響が出てるものと思われます。酸欠
になれば、無論、魚などの生物は死に、新たにプランクトンが発生しないのは必定です。
そして、この悪影響が顕著に現れた時期が東日本大震災の2011年と重なったとも考えられます。

誰も、想像していなかった震災以降の大不漁です。僕も船を建造する時は夢にもおもいませんでした。だから、「船と漁具さえあれば」1から出直しても、船や家の負債は支払えると、両方を一度に再建した漁師は多いのです。
三陸の場合、一人親方で何人かの乗り子がいれば、年間億単位の水揚げができてたのですから・・。金融機関も震災前の5年の水揚げ実績で融資しましたが、返済が滞れば、今度は金融機関が大変な状況になります。
とにかく、これまでの主要魚種である、イカ、タコ、毛ガニ、底モノのマダラ、スケソウダラ、カレイ類や小魚。サケ、マス、マグロ、カジキなどなど・・。殆どいないのです。
岩手県沿岸は震災以降の不漁で「なりわい」としての漁師が成り立ちません。
イメージ 2

ほんとに極端な魚の減少です。震災前の水揚げを10とした場合1にも満たない漁獲量と激減しています。
だから、既に水産加工業、小売業などは原材料となる魚がないので、商売が成り立たず、休業や廃業が出てきています。したがって、雇用の場も失われて行ってるのです。更に、震災で流された冷凍庫屋、運輸、漁具や船舶修理、ドック場、発泡スチロール屋なども借金で復活はしたはいいけれど・・。となってるのです。
だから、水産業で成り立って来た被災地は深刻な現実にあるのです。
地球温暖化での不漁。全く回復の兆しはなく、年々悪化しているのです。
▼台風10号で、養殖施設が大きな被害。ロープが絡み合ってダメに(牡蠣養殖途中に施設)

何故かマスコミはこのような、深刻な問題を報道しません。
これまで、何度も報道するように働きかけましたが、いつも明るい話題を探して報道してるのです。

メディアが報道しない、政治も行政も動きません。ホントは逆なんでしょうが・。

いろいろな水揚げ実績を公開してるのは県や県と下部団体です。行政がこのような実態を知らないはずがありません。

しかし、対策に動かないのです。非常に理不尽です。

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【最新の記事10件の中の記事 東北北陸一覧】
週間水産新聞  2016年10月8日
http://suisan.jp/c/special/main03
【岩手イカ釣り薄漁高値】
岩手県の釣りスルメイカが今季も振るわない。外来船が集まり昼操業する久慈では40隻ほどの水揚げが続くが、2500~3000箱という日が多く、100箱を超える船はわずか。巻網船などとの競合もあり資源が減少したとの指摘がある。価格は高く、中心の25尾で3000円前後。

【三陸の秋サケ 滑り出し低調高値】
三陸の秋サケ水揚げが低調な滑り出しだ。9月下旬、いずれも例年まとまりが比較的早い、岩手県久慈市の定置は1日1000~1500尾(3~5トン)ペース、宮城県南三陸町市場の刺網は26~28日で日産5~7トン。ともに昨季のハシリを大幅に下回る。今季は両県とも昨季並みからやや上回る程度の低迷が予測されているだけに懸念が深まる。価格は久慈のメス高値が1000円を超えるなど全般的に高い。

【岩手養殖干しコンブ 第2回入札で一段高】
岩手県産養殖干し(本干し)コンブの第2回入札が9日、宮古市の県漁連北部支所で開催された。4281個(1個20キロ中心、79.9トン)上場、長切1等が全量2万4000円を超えるなどほぼ一段高の展開となった。入札は終わり、2回の合計は292トンで昨季(288トン)並み。例年に比べ減産高値となる。



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