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Channel: 山と土と樹を好きな漁師 ー「佐々木公哉のブログ」
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「原発の廃炉で考える」ー 【「危険なトイレを造り」ウソは絶対に許されない。慎重かつ丁寧な説明。その工程は、国民にガラス張りにして進める事こそが最低限必要な条件】

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「原発の廃炉で考える」ー
【「危険なトイレを造り」ウソは絶対に許されない。慎重かつ丁寧な説明。その工程は、国民にガラス張りにして進める事こそが最低限必要な条件】


 
▼老朽化した低出力の原発が相次いで廃炉されることが決まりました。
 東京電力福島第1原発事故後に設けられた規定に従った対応で、積極的観点からではないのです。さて、しかし、決定したと言っても廃炉は容易に進むわけではなく、道のりは長いものになります。30年程度以上、いやもっとかかるかも知れません。予定どおりには進まないのがこの問題ですから。時間が必要となるのは必至です。廃棄物の処理先など乗り越えなければならない課題が山積する中のです。不透明な部分は多いのが非常に気になります。
 恐らく、この廃炉費用は一般家庭の電気料金に転嫁され、利用者が負担することになります。建設一辺倒だった時代から廃炉時代を迎えた原発とどう向き合っていくなのでしょう。これこそが、大きな問題であり、これからのその処理が問われています。

▼福島の事故を経て、原発の運転期間は原則40年に定められました。
 廃炉が決定した5基のうち4基は運転開始から40年以上が経過し、1基は年内に40年を迎えます。
 延長も可能だが、原子力規制委員会の審査に合格しなければならず、安全対策に多額の費用を要するのです。初期に造られた5基は出力が比較的小さく、延長しても採算が取れないと判断されたからです。
 福島第1原発の6基が廃炉となった後、現役の原発は国内48基あります。今回の廃炉対象炉のほか、10年以内に40年となる「廃炉予備軍」は、東北電力女川1号機(宮城県)など10基を超します。
 原則に従えば廃炉が続出することになりますが、それに対応する状況が整っていないことは、作業の行方を不透明にしているのです。


▼まず、使用済み核燃料の処分をどうするのか、先が全く見えていないのが現実です。

 青森県六ケ所村の核燃料サイクル施設の燃料プールは無理くり燃料棒の間隔を少なくして保管で危険極まりな満杯状態です。このため各原発のプールで保管するか、特殊容器に入れて敷地内で貯蔵することになるのです。各施設での具体的で現実敵な安全対策が強く問われる事になります。
 また、解体して出る廃棄物をどうするか、これも大きな問題です。比較的濃度の高い炉内構造物は処分地や処分基準が何も決まっておらず、規制委が今になってようやく基準づくりに着手したような現実なのです。

▼「トイレなきマンション」と称される原子力政策の矛盾のツケが重くのしかかるのです。
これまでは避けてきた大きな難題を、いや応なしに直視しなければならない時が来た訳です。お粗末としか言いようのない国家政策に愕然とします。






▼処理とは別に、廃炉に伴う立地自治体への国の支援をどうるのか。
↓脱原発を訴えて、この看板を外すなという元東電の福島社員
クリックすると新しいウィンドウで開きます 
 この対応も求められるでしょう。これまで原発によって潤っていた立地自治体の財政を直撃するからですが。原発が特定の地域に集中した背景について「麻薬中毒的」とする厳しい見方があるのも当然です。実際に原発立地したところに行けば、何故ここに、モダンで周辺の景観とはそぐわぬ建物が建っています。維持費も大変になるでしょうし、その必要もあるのか? 見れば誰でも、疑問を感じると思います。

 外部からは、原発立地特別交付金や固定資産税など十分な恩恵を受けてきたのだから、支援する必要はない-。そう考えることもできるのです。
しかし見放せば、電力供給を担ってきたと自負する自治体から反発も出るのでしょう。

▼岩手には原発がありません。しかし、海はつながっています

  青森のあのマサカリ半島に4つもの原発施設があるのは、まさに「麻薬中毒的」としか思えません。

僕は、青森県六ケ所村の核燃料サイクル施設「岩手の海を守る会」に参加して、30年になります。仮にあの4つの施設で事故でもあれば、津軽暖流が親潮とぶつかり南下して確

実に岩手や宮城は無論、東日本の太平洋側は死んでしまいますから深刻です。


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今になっては、「トイレなきマンション」に今からトイレを造る訳ですが、とても危険なトイレを造りです。膨大な費用と時間と国民の合意形成の作業があります。

これから、脱原発を進めるのなら、まずウソは絶対に許されません。

廃炉の放射能拡散の影響を考え、慎重かつ丁寧な説明。
そして、その工程はガラス張りにして進める事こそが最低限必要な条件になることを政府には訴えておきます。

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