Quantcast
Channel: 山と土と樹を好きな漁師 ー「佐々木公哉のブログ」
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3913

東日本大震災 仮設住宅の窮状~復興住宅建設には2年以上時間が、揺らぐ生活基盤の対策急務

$
0
0
【東日本大震災 仮設住宅の窮状~復興住宅建設には2年以上時間が、揺らぐ生活基盤の対策急務】

仮設住宅で暮らす東日本大震災の被災者は、いまなお約9万5千人います。岩手、宮城、福島3県で被災者が暮らす約4万4000戸のプレハブ仮設住宅を取り巻く環境が悪化しています。

イメージ 2

  移転先の造成の土地収用が進まず、2月前に被災自治体の声も聞かず空白の2年8ヶ月が経過しました。
  ようやく、「土地収用特区」に認定されたのは、2ヶ月前です。これから高台移転の工事がようやくはじります。
なので、公営住宅建設にはまだ2年以上の時間を要し、避難生活の長期化は避けられないのが実情です。

しかし、仮設住宅では入居当初からの不便に加え、“老朽化”が問題になっています。
イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5
イメージ 6



 




 
 
 

イメージ 7
 
  宮城県石巻市の仮設住宅に親子3人で暮らすAさん(56)は、疲れきった様子で語ります。「小学4年の長男をここで育て続けていいものか。仮設を抜け出す資金もなく、悩んでいる」
壊れ始めた
 設住宅は劣悪な住環境が問題になって、断熱材や風呂の追いだき機能などの追加工事が繰り返されてきました。建設からこれまでに1戸あたり約744万円(宮城県内の平均)を費やし、ようやく工事の音がやんだのは昨年秋のことです。
 しかし、「やっと落ち着いた」と思ったのもつかの間でした。粗雑なつくりの仮設住宅が老朽化し、部屋のあちこちが壊れ始めたのです。
 「とくにひどい」とAさんが案内したのは、南向きの一室です。
部屋に入るとすぐに、つんとした強い臭いが鼻をつきました。
 Aさんが指さした先をのぞきこむと、畳に白カビがびっしり。湿気や結露などにさらされ続けて、水分を含んだ畳が変色しています。「雑巾で何度拭いてもすぐにカビだらけ。消臭剤も効果がない」
市にも苦情
 Aさんが暮らす仮設住宅は、大手プレハブメーカーの大和リースが建設した被災地でもっとも一般的なもの。老朽化は特殊な例ではありません。
 老朽化に拍車をかけている室内の結露や湿気も、大和リースなどプレハブメーカーはそろって「県の仕様の通り」「施工の瑕疵(かし)ではない」とします。
 「そもそも長く住むことを想定していない建物。2年目になって、ガタがきているのは否めない」と話すのは、仮設住宅を管理する石巻市の担当者です。
 仮設住宅の不具合などの訴えを受け付ける市のコールセンターには、被災者から「部屋にカビがはえた」「床がきしんできた」「床がたわんでぶかぶかしてきた」などの声が寄せられています。
  市内では、床下からの湿気などで床板が腐った仮設住宅も。
 市内の河川敷に建つ仮設住宅の1室を訪ねると、台所の床が手のひら四つ分ほどの範囲でぽっこりと盛り上がっています。

点検・補修を
 床はベニヤ板にシートを張っただけの簡単なつくり。腐って膨張したベニヤ板が、シートを下から押し上げました。
 指先でふくらんだ部分に少し力をかけただけで、腐ってもろくなったベニヤ板がピシッと音を立てました。
 この部屋で3人の子どもを育てる40代女性は、「早く出たいが、移転先の造成が終わるまで家は建たない」。
 冒頭のAさんも、「我慢して公営住宅の建設を待つしかない」と、やむなく劣悪な環境で暮らし続けます。
 新しい住まいが確保できるまで、どうやって被災者の健康や安全を守るのか―。老朽化した仮設住宅の総点検や補修が、「これから被災地全体が直面する大問題」(石巻市の担当者)になっています。

仮設住宅 いまなお9万5千人
イメージ 8
イメージ 9

 厚生労働省によると4月1日現在、。岩手、宮城、福島3県で約9万5000人の被災者が暮らす約4万4000戸のプレハブ仮設住宅11万582人が仮設住宅で避難生活を続けています。
 同省は仮設住宅の入居期限(原則2年)について、自治体の判断で(1)安全性の問題がない(2)住宅が不足―の2点を満たした場合には、更新(1回の更新は1年以内)を繰り返す形で延長できるとしています。

 しかし、これでは本当の環境悪化は改善されないとおもいます。
健康に係る問題です。即急な対応を望むところです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【東日本大震災 仮設住宅の窮状/揺らぐ生活基盤の対策急務】
河北新報  2014年7月1日
東日本大震災の災禍は発生から4年目の今なお、被災者の最低限の生活を脅かす。岩手、宮城、福島3県で約9万5000人の被災者が暮らす約4万4000戸のプレハブ仮設住宅を取り巻く環境が悪化している。
イメージ 1
 プレハブ仮設住宅が直面する課題は大きく二つある。土台の腐食や傾きの進行といった建物自体の急速な劣化が一つ。さらに、民有地を借りて造った団地の契約期間の終了や入居者の転出による空洞化など、コミュニティー崩壊への不安だ。
 仮設住宅の入居期間は建築基準法で原則2年とされている。災害公営住宅など恒久住宅整備の遅れもあって今回、入居期間が特例で5年に延びた。ただ、応急住宅だけに構造は簡素で、快適な住環境や一般住宅並みの強度は求められない。このため、2年の枠を超えた住宅は次々と障害に見舞われている。
 石巻市では家屋の傾斜が見つかり、改修工事を実施した。別の仮設住宅ではカビが大量に発生し、国立医薬品食品衛生研究所は6月、住民の健康状況を調べる集団検診を行った。被害が著しい住宅では畳や天井板の交換を進めるという。
 岩手県は今夏、仮設住宅の入居期間が7、8年に及ぶ事態を想定し、延命に向けた試験修繕に着手する。秋に全戸点検を行い、老朽化の進展具合に応じて計画的な修繕に入る構えだ。

 仮設住宅団地の土地の貸借期間終了に伴うトラブルも顕在化してきた。宮城県内の場合、県内402カ所の仮設住宅のうち、民有地に建設されたのは166カ所。本年度中に47カ所で契約期限が切れるが、7割超で延長契約が結ばれていない。
 名取市内で最大規模の愛島東部仮設住宅(144世帯)では、宮城県と市が、明け渡しを求める土地所有者と移転に反対する住民の板挟みに陥った。結局市は、異例の用地買い取りを決断。その額は10億円前後に上る見通しだという。
 一方で、災害公営住宅の完成や自力再建による転居で仮設住宅の入居率は低下している。宮城県は5月末現在、82%で前年同月比で10ポイント以上減った。

 空洞化する仮設住宅の集約化に乗り出す自治体も出ている。空室が増えれば防犯上の問題はもとより、互助機能の崩壊、取り残されたことへの不安といった深刻な問題が生じる。入居者にとっては再度、近隣との人間関係を一から築かねばならず、ストレスは計り知れない。

 生きるのに精いっぱいな被災者に、次々と難題が降りかかる。国や自治体が取り組むべきは、住環境の悪化に伴う入居者の健康不安や精神的な苦痛に対処する施策の立案、実施だ。仮設住宅の見回りやコミュニティーづくりの支援員配置など地域を包括する対策が急務になる。

 国の集中復興期間は来年度で終わる。成長戦略に象徴される国富の追求が唱えられる中、多くの被災者は生活基盤すら固められないでいる。被災地の今を政治はもとより多くの国民もわがことと受け止めてほしい。被災地はなお非常時の中にある。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3913

Trending Articles