【すべての戦争は自衛という大義名分ではじまる】ーー。この指摘を胸に刻んでおきたい。

　政府は近隣諸国の脅威を強調し、安全保障環境の変化を理由に挙げる。誰しも否定しにくい論理で法制整備の必要性を主張してきた。
　だからといって、憲法を無視していいわけはない。１６日の地方公聴会で広渡清吾専修大教授が公述したように「日本の国のかたちが根本的に覆されてしまう」という危うさを国民は考え始めたのだ。
　広範な反対の声は、既成の組織やイデオロギーを超えた一人一人の思いの集積である。
　国会前だけではない。全国でも数多く開かれた反対集会などをのぞくと、個人として参加した姿も目立った。

　政権はこうした声を侮るべきではない。安倍首相は参院特別委員会で「成立した暁には間違いなく理解が広がっていく」と語ったが、安倍総理この論理は逆である。主権者である国民をあまりに軽く見ている。
　成立した後の焦点は、政府がどのような形で自衛隊の海外派遣を判断し、実行に移すかだ。それがマスコミも隠して、国民から見えなくなる恐れがある。でこれが要注意であり、しっかり国民はSNSなどを駆使してこ+れを監視しなくてはならない。

　５党合意で国会関与の強化が決まったが、際限なく広がる恐れがある派遣の歯止めとなるかは不透明だ。政府の裁量で、国会の事後承認となる事が必ずあるだろう。
　ましてや、昨年施行された「特定秘密保護法」もある。これから、国民の監視がさらに重要になる。海外メディアの情報。インターネットのTwitterやFacebookなどのSNSを駆使して安部政権と経団連の動きの監視を強めねばならない。　そして、情報を共有することがこれから大事になる。
作家の半藤一利さんの言葉が思いだされる。
【すべての戦争は自衛という大義名分ではじまる】ーー。この指摘を胸に刻んでおきたい。