【県民にとって県議選は、すっきりしない結果。 主要な政党、政治団体で、どの勢力が勝利を収めたのか判然としないためだ。】
2015年9月9日
《県議選と県政 勝利者なき「半数民意」》
県民にとって県議選は、すっきりしない結果になった。主要な政党、政治団体で、どの勢力が勝利を収めたのか判然としないためだ。
2015年9月9日
《県議選と県政 勝利者なき「半数民意」》
県民にとって県議選は、すっきりしない結果になった。主要な政党、政治団体で、どの勢力が勝利を収めたのか判然としないためだ。
一方で共産党は初の3議席を獲得した。社民党は現職2人が上位当選し、党の市議だった無所属候補もトップで初陣を飾った。
少数ながら伝統的な護憲勢力が票を伸ばしたのは、国民の反対が強い安全保障関連法案の影響があろう。だが、安保法案がはっきりと選勢を左右したとは言い難い。
選挙戦で国政野党は安保法案への反対姿勢を前面に出したが、与党は論戦を避けて地域課題を中心に訴えた。震災復興や人口減対策も明確な争点にはならなかった。
地域課題と国政の最重要テーマの訴えがかみ合わず、焦点がぼやけては県民の関心は高まらない。知事選の無投票も大きく影響した。
その反映が52・81%という過去最低の投票率と言える。有権者の「半数民意」しか表れないのでは、勝利者がいないのも当然だろう。
今後は3期目に臨む達増知事
と県議会の関係が注目される。達増県政になって県の一般会計決算は2013年度まで3年連続、計5回にわたり議会に認められない異常な状況が続く。
知事の政治姿勢は「特定政党に偏する」と自民党などに議場で再三批判されてきた。このため達増氏は今回の知事選で、幅広く支援を求める「県民党」を掲げた。
知事の政治姿勢は「特定政党に偏する」と自民党などに議場で再三批判されてきた。このため達増氏は今回の知事選で、幅広く支援を求める「県民党」を掲げた。
しかし自民、公明などは乗らない一方、野党5党首が応援に駆けつけたことで野党結集の象徴のような存在になった。県議選では自ら推す候補のマイクを握ったが、達増氏を支える県議は過半数に届かない見通しだ。
「県民党と違う方向になったとは思わない」と7日の会見で達増氏は強調した。野党への過度な傾斜を戒める県民は少なくない。県民党の姿勢を疑問視されない県政運営を強く望みたい。
県議会に対しても県民の目は厳しい。
県政を詳細に点検するのは当然だが、一部に見られる批判のための批判は控えるべきだ。
今後の県政界の焦点は来夏の参院選に移る。平野達男参院議員の知事選出馬断念に続く県議選結果からは、混迷が深まる形になった。
今後の県政界の焦点は来夏の参院選に移る。平野達男参院議員の知事選出馬断念に続く県議選結果からは、混迷が深まる形になった。
今国会での安保法案の行方が1年後にどう影響するか、不透明な部分は多い。野党協力、再編の動きによっても状況は刻々と変化するだろう。